腰をただ回していてもフープは回せない

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やったことのない運動に挑戦するとき、体のどこにどの程度の力を入れたらいいのか探りながら行うため、過度に力が入ります。その結果、「はぁ、疲れた」とつい言ってしまいます。

リンゴの皮をクルクルと上手に剥ける人は1個剥いたぐらいでは疲れません。しかし、経験が浅いと、リンゴを少し回すたびに無駄な力が入り、ナイフの角度や動かし方にも緊張を伴っているので、半分くらい剥いたところで「はぁ。ちょっと休憩。」となってしまうようなこともあります。

運動の経験が無い子供に「フープを腰で回してみよう。」と投げかけるとどうなるでしょうか。おそらく、最初にフープに「えいっ!」と勢いをつけて回したあと、超スピードのフラダンスのように必死になって腰を回しているはずです。

はじめにフープの勢いを付けるのは、「そのほうが長持ちする」と思っているからです。また、体操をするかのようにぐるぐると腰の回すのは、「腰で回すんだから、腰を回せばいいはずだ。」と考えているからです。

ところが、フープを腰で回した経験がある人なら分かることですが、「フープを腰で回す」ためには「腰を回す」というような動きではできません。  

腰で回すことができている子供を観察しても、「腰を回す」という動きをしていないことに気が付きます。彼らは、「腰を前後または左右に軽く動かす」ことで「フープを回す」ことに成功しています。それも、いつも同じように腰が動いているわけではなく、どこかで微妙な力を加えることでフープに回転力を与えてコントロールしているのです。この「どこかで微妙な力」とは、言葉では説明できないコツのことです。

この動きは、手で回すときも同様で、肩からグルングルンと腕を回していてもフープはうまく回らないのに、腕をあまり動かさなくてもどこか一瞬で「クイッ」と力を入れるタイミングが合うことで、うまく回せることと同じことです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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