なぜ、石を見付けると「石けり」をしたくなるのか?

子供の学び技能,環境,発達,遊び

地面に転がっている石を見付けると、なんとなく蹴りたくなりますね。サッカーをやったことがない小さな子供でも、目の前の石を蹴ってみたくなるものです。

もしも、ドッジボールのような大きさの石だったら「このサイズの石は、蹴ったら痛いはずだ。」と分かっているので蹴りません。石のサイズによって重さが違うことは知っているからです。「このくらいなら蹴っても痛くないだろう。」と判断できるような適当なサイズであったら、初めてそこで「蹴ってみよう!」という気持ちになります

石を蹴ることがおもしろいのは、真っすぐ転がってほしい期待に反して、なかなかそのような結果を得られないからでしょう。最初はまっすぐ転がっても、そのうち右へ行ったり左へ行ったり、どこまで転がっていくのかも不確定だからです。イレギュラーな動きに一喜一憂することがおもしろいのです。

学校で嫌なことがあって気分がむしゃくしゃしていると、下校中に石を蹴りたくなりますね。しかし、このときは、石の転がり具合を求めているのではなく、石を思いっきり蹴ることによってうっ憤を晴らしているだけです。もしも、真っすぐ転がったら「よしっ! ラッキー!」と気分転換にもつながります。

ところで、これらの石蹴り遊びは、ほぼ全てつま先で蹴るトゥー・キックによって行われます。インサイド・キックやインステップ・キックが身に付いていても、これらの技能は石けりの場面では発揮されません。ねらったところに蹴りたい、より遠くに蹴りたいと思っていても、いつもトゥー・キックです。

1・2年生のゲームの学習では、このトゥー・キックを数多く経験することで、蹴る動きの体の使い方を身に付けていくことが大切になります。なぜなら、トゥー・キックは、体幹の捻転が必要でない易しい動きであり、体の正面でそのまんまボールを蹴っ飛ばすことができる動きだからです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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