真に「やってみたい」ときにこそ、その世界に入り込む

子供の学び学習課題,思考力・判断力・表現力等,発達,遊び

子供が学習に集中している時は、たいてい、じーっと黙って取り組んでいます。周りの音さえも耳に入らないようなこともあります。

誰でも大好きなことに取り組むときには集中しています。そのように取り組めるのは、自分自身で「やってみたい。」という思いが明確だからです。

砂場での団子作りもこれと同じです。砂を固めて団子を作るという世界に入り込んで集中しているわけです。どうやったらまん丸になるのか、大きい団子はどうやって作るか、できた団子はどう並べるのがよいかなど、課題満載です。各種の団子がひととおりでき上がって満足すると団子作りから離れ、自分が団子屋さんとなってお客を呼び込むという名案が浮かびます。

団子屋さんとなった時点で、自分だけの世界だった団子作り職人としての集中は消えて無くなり、他人を巻き込んだ団子屋さんに変化しています。団子を作るステージから団子を売るようになるステージに、子供の学びのストーリーがあるわけです。

しかし、果たしてこの子供は、最初から「団子を作って多くの人に売って喜んでもらおう。」として遊び始めたのか、或いは、「団子を作ってみたけれど、作り方のコツがあってこんなに面白いんだ。」と思って遊び始めたか…。当の本人に聞いてみたところで、「………?」かもしれません。

特に後者の場合に、「あら~、お団子屋さん、上手だね。」などと思いもよらぬ視点から褒められたときは、「ん~、わかんない。」ととぼけられてしまうでしょう。単なる団子作りから店舗による販売にこぎつけたことが認められたので、次回の学びに変化が現れます。学びの自己調整が承認されたことになるからです。

学びが積み上げられていくと、学習課題を見いだした時点で、団子つくり職人のままで終わるのではなく、団子を販売する店を出すところまでを、ある程度見通したストーリーを始めから持っているはずです。つまり、団子作りが面白いのでそこに集中しているか、店で売るのが面白いので団子作りはそのための手段なのか、「やってみたい。」目的とするゴールイメージの違いから生じる学びの姿の違いです。

子供が、自分の学習課題として、ほんとうに「やってみたい。」と思っているときこそ、その解決のためにその世界に入り込んで集中している姿が現れてきます。それを主体的な学びと捉えることになります。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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