メタ認知を働かせて主体的に学ぶ

子供の学びメタ認知,思考力・判断力・表現力等,遊び

メタ認知とは、自分の行動や考え方、特性などを別次元から眺め、認識する能力のことです。「ぼくは、走るのは遅いけど体は柔らかいよ。」、「シュートが入らないのは、あわてちゃうからだ。」など、自分で自分のことをどう認識するのか、これがメタ認知です。

子供たちが遊ぶとき、遊びのルール自体を自分たちで作り出しています。自分たちという閉じた空間の中なので、いっしょに遊んでいる友達同士がそこでのルールに合点がいっていればOKです。例えば、相手チームの人数が少なかったときはハンディキャップをつけてあげたり、年下の子がいるときには、その子がプレーすることについて「おまけ」してあげたりすることがありますね。これには、弱者に対して思いやりをもって接していこうとする行動という意味もあります。道徳的です。

しかし、子供の遊びはそれだけの理由で、このような道徳的行動を選択していません。遊びの結果がどうなるか分からないように工夫して、参加する誰もが楽しく遊べるようにしているだけです。年下の子にヒットを打たれちゃうこともあるほうが、面白いからです。これは、メタ認知の能力が発揮された結果です。

遊びでは、やる前から勝負の行方がはっきりしている場合こそがつまらないことを子供はよく知っているので、なるべくイーブンな状況に近付けるようにして遊びます。どちらにでも勝てるチャンスがあるように工夫するというのが一番楽しい結果を生むということを、たくさんの遊びを通して経験的に子供は身に付けていきます。

既にできているルールに従って、ただその中で自分のベストなパフォーマンスを発揮するという受け身のスタンスではなく、自分たちでルールを作っていくというような頭の働かせ方もメタ認知と言えます。授業でも、メタ認知を使いたくなるような仕掛けがあることで、主体的な学びが生まれることが期待できます。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず(By孫子)」ということです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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