「つかまりたいっ!」高さにあるつり革の仕掛け

子供の学び学習課題,環境,発達,遊び

電車の「つり革」。子供にとっては、「つかまりたいっ!」と思ってしまう絶妙な高さに吊り下げられています。最近では、様々な高さの「つり革」が見られるようになり、子供の「つかまりたいっ!」気持ちをフルに刺激します。

子供は、平然と「つり革」につかまっている大人の姿に憧れを抱いています。意図的ではないにしろ「やってたい」という気持ちが働くような仕掛けが「つり革」にはあるのです。一番高い「つり革」には届かなくても、その隣の「つり革」なら、もうちょっとで届くかもしれないからです。

その上、いつ揺れるか分からない電車の中は、やっとつかまっている状態では不安定でハラハラし、そのこと自体も楽しかったりするので、始末に悪いです。大人は、マナーを守らなければならない気持ちとの葛藤が強いため「つり革」に対してドキドキしませんし、「つかまりたいっ!」と思うほど「つり革」が好きではありません。大人には、自分のバランスが崩れなければいいという単なる器具にしか見えていないので、届くか届かないか分からないような「つり革」があったにせよ、魅力を感じないのです。

電車内で転ばないようにするだけの理由なら、ドア付近の棒につかまっていればいいのですが、この棒は、ただつかまっているだけで、登り棒のような登り下りする遊びを誘発しません。そのため、同じ電車内にありながら「つり革」のもつような「やってみよう」を誘発しません。「つり革」には、「ぶら下がり」に加えて不規則に揺れるという要素があるため、日常的に経験できない楽しい運動遊びの感覚が満載なのです。

学校では電車のようにはできませんが、固定施設遊びや鉄棒遊びなどで「ぶら下がり」を経験できるようにしておく必要があります。「つり革」は、「もうちょっとで届きそうな」その高さといい「不規則な揺れ」といい、子供にとって遊びたくなる運動環境の例を見事に示してくれています。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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