”このすべり台”を初めて滑るときの思考
すべり台を滑った子供ならだれでも、その楽しさを知っています。なにより滑っているときの爽快感は、たまりません。
上から下に落ちていく感じ、次第に加速するスピード、そして、目の前で次々変わっていく景色など楽しさ満載です。慣れくると、普通に滑るのには飽きてきて、様々な工夫が始まります。
手を離す、寝そべる、後ろ向き、逆から登ってみる、友達とつながって滑るなどです。この時に感じているめまいのような面白さの感覚は、ジェットコースターの楽しさにつながっていきます。
ところで、普段遊び慣れているすべり台とは違って、初めて見るすべり台が目の前にあったとき、子供たちはどうするでしょう。
いきなり寝そべって滑ったり、後ろ向きに滑ったりするなど普段やっている滑り方からスタートすることは、ありません。滑る楽しさは知っていても、そのすべり台で滑る感じが分からないからです。
そこで、探りを入れる必要を察知して、ふつうのすべり台遊びから始めます。 初めて経験するそのすべり台は、いつものすべり台と形状が異なることは見ただけで理解できていますが、滑る感じは一度、やってみないことには分かりません。
そこで後ろ側からふつうに登って、てっぺんからの眺めとその高さを確認した後、まずは、ふつうに滑ります。この1回で「いつもよりよく滑るぞ。急だな」「急ってことは、頭から行くとちょっと怖いか…」「最後は、ガタンと落ちる感じだ」と、その感触を確かめます。
次に自分が「やってみよう」とする工夫した滑り方に思いを巡らし、危なくないであろうギリギリを試しながら遊んでいきます。