ハードル走の練習に3台目を置く意味はあるか
学習指導要領には、ハードルの台数、走る距離やハードル間の歩数についての記載はなく、「ハードル走では、ハードルをリズミカルに走り越えること」のみです。
ただし、その解説には、およその距離や必要な技能が掲載されており、平成29年版であれば40m~50m程度の距離で行い、ハードル走の技能の一つとして「インターバルを3歩または5歩で走ること」と示されています。インターバルが「3歩または5歩」となったのは、29年版が初めてで、平成11年版解説以降は、中学校でも「3~5歩」でした。
「~」ということは4歩でもOKだったのですが、これは無くなりました。なお、11年版が出る前は、「3歩で走る」と決められていたので、3歩で走ること以外は、許されないような授業をしていたことになります。
ハードル間の歩数は、一つのコース内に異なるインターバルを設定して、いろいろなリズムで走る3年生での小型ハードル走の延長線上にあります。3年生では「いろいろなリズムで走り越える」学習をしますが、4年生になると「一定のリズムで走り越える」学習となり、一定の間隔で並べられたコースを使います。
即ちここでは4歩でもいいわけで、ハードルを越えるたびに踏み切り足が逆であっても、一定のリズムで走り越えられればOKなのです。 5・6年生のハードル走は、3台めをリズミカルに走り越えられるようにすることから始めます。
決めた足で第1ハードルを越えてもやや体制を崩し、2台目をやっと越えたとしても、スピードが落ちた3台目には踏み切るタイミングさえ掴めなくなるからです。3台目までをリズミカルに走り越えられないうちから4台目を置いても意味がありません。