豊かなスポーツライフの実現を目指す「スポーツの日」
「10月10日は、体育の日」と言っていた時代が、懐かしく感じられます。
ハッピー・マンデー法が施行されてからは、10月の第2月曜日に変更されてしまいました。しかも2020年からは、その体育の日さえ存在しなくなりました。
1964年10月10日、東京オリンピックの開会式が挙行されました。戦後の復興期にあった日本が、戦争によって返上せざるをえなかった東京でのオリンピック開催を、やっと実現したのがこの日でした。
再び国際社会の中心に復帰するシンボル的な意味をもった東京大会は、夏季大会にしては異例の10月開催でした。アジアで初めての開催であり、有色人種の国での開催も初めてで、加えて当時、戦後になって独立した多くのアジアやアフリカ諸国の参加もあり、おおいに盛り上がりました。
今や駅などの公共の場所では当たり前となったピクトグラムが発明されたのも東京大会でした。「漢字も英語も分からない、どこの国の人が見てもすぐに分かるようにする」というコンセプトでした。日本人のおもてなしの心が、当時からあったのです。トイレや電話などの施設デザインだけでなく、実施される競技のピクトグラムもデザインされました。
1964年の東京オリンピックから2年を経て、10月10日は体育の日として「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」目的で国民の祝日となりました。しかし、2020年の東京オリンピックの開会式に合わせてスポーツの日とその名称を変えました。
スポーツの日は、学校での体育の時間だけ運動するのではなく、豊かなスポーツライフを実現することを目指しています。