誰とでも仲よく運動することができる
1・2年生の目標には、「きまりを守り誰とでも仲よく運動したり…(略)」とあります。これは、3・4年生でも同じです。5・6年生になると「約束を守り助け合って運動したり…」となります。
いつの学習指導要領でも「態度」として示されてきた「仲よく」とは、順番やきまりを守って仲よく運動したり、協力して仲よく勝敗を競い合ったり、準備や片付けを友達と仲よく一緒にしたりすることです。平成29年版からは「学びに向かう力・人間性等」の内容に整理されました。
この資質・能力の内容は、それぞれの運動の特徴や2学年ごとのレベルの違いがある「技能」に比べて汎用性が高いので、どの運動を扱う場合であっても「協力」「公正」などを身に付けられるよう6年生まで繰り返し指導していきます。友達と一緒に運動することの楽しさを味わうことができるようにするためです。
リレーでは友達がいないとバトンパスができません。バレーボールでは一人だけでボールをつなぐことができません。長縄では誰かが縄を回してくれなければ跳べません。このように友達の存在が無いと体育は成立しないことが多いので、「学びに向かう力・人間性等」の指導が不可欠となるのです。
「学びに向かう力・人間性等」が目標としてだけでなく指導内容としても位置付いている唯一の教科でもある体育では、誰とでも仲よく学習することが大前提です。したがって、ワンマンプレーで得点を稼ぎ出しても、自分だけがいい記録を出しても、体育の評価がよいことにはならないのです。