「ろくむし」は、ベースボール型ゲームに発展するか?
伝承遊び「ろくむし」には日本全国でローカルなルールがたくさんありますが、もともとは「盗塁ごっこ」であったろうと思われます。

2名の守備者が送球している隙をついて2つの塁間を往復するという単純なルールで、最低3人集まれば広場がなくても細い路地でできる手軽な“野球遊び”でした。守備者は、投げるふりをしてフェイントをかけ、つられて飛び出した走者が塁に戻れないルールを悪用する作戦もあります。隠し玉ももちろんアリです。
しかし、そもそも投げたり捕ったりする技能が高くないと送球するたびに守備が破綻し、「ろくむし」をどんどん成立させてしまいます。なお、「6」という数字の由来は不明ですが、3の倍数であることが野球遊びっぽいネーミングといえます。
子供が夢中になって楽しめる「ろくむし」は、体育の学習に取り入れてみたくなります。
1・2年生では伝承遊びを扱うことができますが、投げる・捕る技能が追い付いていかないので、「ろくむし」は取り上げにくい運動です。たとえ扱うにしても、子供がやってみたいと思う提示の仕方、子供が「ろくむし」をゲームとして選択できる余地がカギになります。
3年生以上のベースボール型では、特性の一つであるボールを「打つ」技能が含まれないので学習になりません。また、すべての学年で指導する体ほぐしの運動で「仲間とかかわり合う」ことをねらいとして取り組むにも、一つの単元を構成するには至りません。
したがって「ろくむし」は、その行い方をどのように工夫しても休み時間に遊ぶか学級活動でろくむし大会を運営する程度の扱いが妥当ということになります。