陸上運動系を内容のまとまりで見る
助走のスピードを垂直方向に変える技能が要求される運動が走り高跳びですが、走り幅跳びやハードル走で身に付けた内容が相互に関連し合っていることを意識しながらの学習もできます。
陸上運動というくくりで見ていくと、これらに共通する技能は、「リズミカル」であり「踏み切り足」ということになるからです。5・6年生の走り高跳びでは、3・4年生の時に「3~5歩程度の短い助走」で学んできたことを生かして「5~7歩程度のリズミカルな助走」を練習していきます。
自分の踏み切り足が決まっているのに「足が合わない」と言っている子供の多くは、助走が長過ぎることで失敗しています。高く跳ぶためには助走が長い方がいいと思っていると、頑張って助走して来たものの、踏み切り位置とバーとの距離感や、踏み切るタイミングがつかめない状況になるからです。
このように自分の踏み切り足がスッキリしない子供には、ウォーミングアップのときに、長縄での8の字跳びのような動きをグループで繰り返すなどして、どちらの足での踏切が自分にとってやりやすいかを考えられる練習をすると、リズミカルな助走の仕方とともに跳ぶときの体の使い方にも慣れてきます。
なお、走り高跳びでは、高く跳ぶという特性から安全な着地が求められるので、マットを敷くなど安全に配慮するのはもちろん、踏み切り足と逆の足で着地できるよう「はさみ跳び」をマスターできるようにします。着地で膝を柔らかく曲げることや「はさみ跳び」の体の使い方の技能獲得は、8の字跳びスタイルによる練習でも可能です。