子供にとっての「楽しさ」とは何か
すべり台を子供が楽しそうに何度も何度も繰り返し滑っている様子を目にすることがあります。この光景を見て「滑ること」に「楽しさ」を感じているというのは、誰の目にも明らかです。
しかし、子供の行動には、「何が面白くて、こんなことを何回もやってるんだろう。」と疑問に思うようなものも少なくありません。
ある運動をすること自体に「楽しさ」を感じていても、それ以上に、その運動を何度も何度も繰り返すことの方に「楽しさ」を感じるという場合で、ニコニコしながら「え~、またやんの~。」ということを繰り返す1・2年生のシャトルランは、その好例です。
同じようなことを何度も何度も繰り返すことで得られるこうした「楽しさ」は、運動に限ったものではありません。
その一つの例が「おおきなかぶ」です。おじいさんをはじめいろいろな登場人物がやってきては、同じような行動を繰り返しています。孫が犬を連れてきたあたりから、「また、同じパターンだな」と分かってきますが、話の予想がついていても引き込まれてしまうのは、面白い行動とフレーズが何度も繰り返されるからです。
ミルク・ボーイの漫才も「コーンフレークやないかい」と「ほな、コーンフレークとちゃうな~」のフレーズが何度も繰り返されることで「やっぱり、そういう展開か」と分かっていても笑いを誘い、最後に「あ~、楽しかった」となるのです。
しかし、体育の場合、繰り返すことが楽しいだけでは学習のねらいから外れてしまいます。運動すること自体の「楽しさ」を子供が感じられるようにすることが大切になるからです。こうした「楽しさ」を子供から見た「機能的特性」と言います。