3・4年生の水泳運動では、呼吸の調整が大事
水泳運動系は、個人差が大きい運動です。同じ学年でも顔を水につけるのがやっとという子供がいるかと思えば、何メートルでも泳げる子供もいるのが現状です。
平成10年版の学習指導要領では4年生からクロールや平泳ぎを指導していました。これが平成20年版から5・6年生の内容に改訂されたのは、動きを十分身に付けていない4年生にクロールや平泳ぎを指導していたために、手足の動きやタイミング、呼吸とのコンビネーションができない子供が増加したからです。
平成29年版では、3・4年生の内容は、「浮いて進む運動」と「もぐる・浮く運動」から構成されるようになりました。それまであった「キック」「ストローク」といった言葉が消え、近代泳法の手や足の動かし方などの泳形にこだわる必要はないとされました。
「浮いて進む運動」では、友達の補助を使った伏し浮きやプールの壁を蹴って体をまっすぐに伸ばすけ伸びのほか、ビート板などの補助具を使って浮くことをはじめ、補助具を使わずに手足を動かしながらゆっくりと進んだり呼吸をしながら進んだりする「初歩的な泳ぎ」をします。
「もぐる・浮く運動」では、呼吸の調整をしながらいろいろなもぐり方をしたり、伏し浮きや背浮き、くらげ浮きなどのいろいろな浮き方をしたりして、息をしっかりと吸って全身の力を抜いた浮く状態の楽しさを味わいます。
3・4年生では、クロールや平泳ぎにつながるような浮き方、もぐり方などを通して、十分な呼吸の仕方を身に付けることが学習の中心になりました。