簡易化したゲームの作り方

こども,子供の学びネット型,ボール運動系,ルール,学習指導要領,思考力・判断力・表現力等

プレルボールが、「プレル」の名のとおり、こぶしでボールを床に打ちつけるゲームであるのに対して、同じネット型でもソフトバレーボールは、その運動特性には根本的な違いがあります。

「バレー」は、テニスの発音では「ボレー」ですから、「ボールを落とさないでラリーを続けられるかどうかのハラハラドキドキを楽しむ」特性があります。

さて、「ボールを片手や両手ではじいて3回以内に相手コートに返す」というバレーボール本来のルールを子供の技能の実態に合うような簡易化したゲームにする場合、どれを子供に考るよう示唆したらよいでしょうか?

① キャッチしてもいいことにする。

② 4回までに返球すればいいことにする。

③ ワンバウンドしてもいいことにする。

バレーボールの特性が「落とさない」であることから「何としてでも拾いまくる」ことで「ボールを操作しやすい位置にすばやく移動する」などの技能が身に付くと考えられます。運動の楽しさに触れるという学びを奪ってしまうようなルールであってはなりません。

したがって、操作しやすいボールを使うなどの環境を整えることはもちろんですが、簡易化したゲームとしてのルールは「4回以内で返球」のような②タイプが、技能が未熟な子供たちにとって学習の入口となります。

たとえば、単元の前半でゲームを楽しみながら「4回以内」でラリーを続けられるように学んで、ある程度の技能を身に付けます。その後、単元の後半に入る前に「3回以内に変更するかわりに、3回目のキャッチOK」というような①タイプのルール変更を投げかけてみます。

②の触球数の緩和をなくしても①のボール操作を緩和することでバランスをとるようにするのです。「3回目」でなく「2回目のキャッチOK」にして3回目を打ち返せるようにすることもあり得ます。これらのルール変更は、相手の捕りにくい返球をする「攻撃重視の作戦」もできやすくする効果が単元の後半には期待できます。

ただし、①タイプでも最初から「全部キャッチしてもOK」から進めてしてしまうと、ゲームにスピード感がなくなり、また、ハラハラドキドキ感もなくなります。見た目は、ちんたらした感じのゲームの様相になります。そうなりと、技能は伸びていかないのです。

このほか、③「ワンバウンドOK」というルールもありですが、「全部キャッチしてもOK」に比べるとゲームの停滞感は見られないので、こちらのルール改正の方がましです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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