「子供が身体を使って遊ぶ」ことに価値がある理由

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動物の子供にも人間と同じように盛んに走り回ってじゃれ合う時期があります。

この時期に盛んに身体を動かし、様々な動きを身に付けることが脳や運動能力の発達に必要です。ライオンは、この時期に追いかけっこなどをしてせっせと遊ばないと、獲物を捕らえることが将来、できなくなります。

動物の子供と同様、人間の子供にとっても運動することは成長の過程で必要です。ほかの動物に比べて脳が未熟な状態で生まれる人間は、二足歩行ができるまでに約12カ月を要し、その後の運動が筋肉の発達やそれを支配する脳をはじめとする神経系、内臓器官の発達に必要な刺激となるからです。

精神的要素も大きく、運動するには勇気、集中、判断、調整が必要ともなります。この時期を逃して運動がもたらす刺激を受けなかった場合、刺激への対応能力が著しく低い段階にとどまることになります。

「子供が遊ぶ」ことが「大人が働く」ことと同列の価値をもっていた頃は、「よく学び、よく遊べ」という教育的価値観が社会的通念として定着していました。しかし、汗水流して働く労働形態が変化し身体を使わないことが文化的な生活であるという概念が進むと、少しずつその価値観が崩れ出しました。子供たちに対しても「身体を使って遊べ」ということが大人の意識から遠ざかっていったのです。

小学生の成長過程において重要なことは、健康に生活できるための基礎的体力を養うことなので、元気に動き回れる行動力をもった子供に育てることが大切です。そのため指導者は、子供が運動できる環境と時間をいかに設けるかを考えなければならないのです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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