バトンパスの技能にも生きる「ね、ね、ね…ねずみ!」
リーダーが「ねずみ!」と言った瞬間にダッシュして、ねずみがねこを追いかける単純な規則です。
「ね、ね、ね…」のあとに「ねずみ!」なのか「ねこ!」なのか、どっちが呼ばれるかのハラハラドキドキ感がたまらない「ねことねずみ」です。「ねずみ」チームと「ねこ」チームに分かれての対戦となりますが、多くはペアを組んでの個人戦です。
追いつけるか逃げ切れるかにもハラハラドキドキの要素がある鬼遊びです。もし、簡単につかまってしまうときには、最初のラインの間隔よりも離れてみるなどを、ペア同士で合意形成の上で工夫することでハラハラドキドキ感が続きます。ところで、この「ねことねずみ」をつまらなくする方法があります。
まず、ラインの間隔です。近すぎても遠すぎても面白くなく、ペア双方にとってグッドな距離感が必要です。もしも相手の方が走るのが速いと分かっているときは、間隔が広い方が「逃げ切れるかも…」とワクワクします。
しかし、追いかける立場になると、相手が近くにいれば「つかまえられるかも」と、期待感が膨らみますが、スタート位置を常にライン上に固定してしまうと工夫の余地を与えないので、つまらなくなります。さらに、後方のラインまでの距離もつまらなくする要因です。
短すぎると簡単に逃げ切れてしまい、長すぎると捕まえられないからです。つまり、「ねことねずみ」をつまらなくするには、つかまるかつかまらないかがギリギリの設定になっていない場や規則を提示すればよいのです。
なお、スタートと後方のラインとの関係をリレーのテークオーバーゾーンと同じと見ると、「ねことねずみ」で身に付けた、追いつけるか逃げ切れるかギリギリの動きは、減速の少ないバトンパスをするための走り方の技能につながることが分かります。鬼遊びの技能は、いろいろな運動領域への発展性が高いのです。