チームの中の個人の動き わがままプレーから抜け出せ
集団対集団で競い合うボール運動系の学習では、1・2年生のうちから「攻め方を選ぶ」学習をします。
そのため、一人1個のボールを持って攻めたり守備の人数を減らしたりして、攻めが有利になるゲームを提示します。子供なりにチームでの攻める作戦を選んでいますが、ほぼ全員がわがままなプレーをするため、基本的には個人プレーのオンパレードとなります。
これが3・4年生になると、「簡単な作戦を選ぶ」学習になりますが、わがままなプレーが作戦の邪魔をするようにもなってきます。技能の差はゲームに影響し、技能が低い子供より高い子供をどう扱うかの方が、実際にはやっかいな問題になります。
体育の学習内容には「技能」ばかりでなく「思考力・判断力・表現力等」もあるので、3・4年生では、ゲームの型に応じた簡単な攻め方を作戦としてそれを試行錯誤しながら学習を進めます。その中で技能の高い子供は「どういうゲームなんだろう」とゲームの型の特徴を再発見し、技能のあまり得意でない子供は「どうゲームに関わっていこうか」とゲームへの参加の仕方を見付けていきます。
一人一人のプレーが保障されるように3・4年生では「易しいゲーム」、5・6年生で「簡易化されたゲーム」を扱います。これは、チームの作戦を立てやすくするためでもあります。
この作戦に基づいて個人が「どうやって攻めるか」というめあてを立てていくことになります。作戦を意識できるようにして、次第にワガママなプレーを無くしていきます。