漢字の由来 もともと「遊」に隠されている意味
「遊」のしんにょうを除いた部分は、「ユウ」と読みます。中国には、この文字があるそうです。左右にゆらゆら揺れるという意味があります。
この「ユウ」に加えて、道を表すしんにょうが部首となる文字が「遊」なので、「遊ぶ」とは、あっちに行ったりこっちに行ったりしながら進んでいくことが前提になります。つまり、「運動遊び」も、そのような学びと言えます。
ボールを投げてコーンに当てようとする運動には、当たるか/当たらないかと揺れ動く「間」と、当たった/当たらなかったという結果による心の「動き」が繰り返され夢中になれるところに魅力があります。左右に揺れていますね。
しかし、できなかったり負けたりしたとき、周りの友達から冷笑されたり罵られたりでもされようものなら、これはもう遊んでなどいられない状況になります。できるか/できないかにハラハラドキドキして夢中になれるには、「できなくてもたいしたことないじゃん。」という「安心感」も、そこに存在していなければなりません。
1・2年生の指導では、「間」「動き」「安心感」という3つの視点から運動を捉え、運動遊びとして成立するようにします。その上で、どうすればできるか、どうすれば勝てるかを子供は学んでいくことになります。
しかし、3つの視点で捉える前に、どうすればできるか、どうすれば勝てるかを先んじて指導してしまうと、そこで行なわれる運動は、運動であっても運動遊びではなくなってしまいます。
運動嫌いの子供たちの多くは、このような右肩上がりだけをねらった指導により、できない経験を積み重ねていくことで生み出されている場合が少なくありません。指導者には、遊びの性格をもった運動を教えている自覚が強く求められるのです。