号令は、「きょ~つけっ!」ではありません
集合、整頓、列の増減などの集団行動は、どの運動領域でも適切に行うこととなっています。
最も基本的な行動様式は「気をつけの姿勢」です。どこの幼稚園・保育園でも行われていますが、「お背中ピーン! 指先ピシッ!」などの声掛けにより指導されるケースがほとんどです。
これらのことが指導者の指示通りにできると、俗に言われる「いい子」になったように子供自身は感じます。指導者も自分の指導の賜物だと考えてしまいます。
「気をつけの姿勢」では、主に3つの体の重要な使い方を身に付けることができます。それらは、①視線、②姿勢、③静止です。これらを意識した「気をつけの姿勢」が身に付くと、いろいろな動きに活用できます。
「視線」については、「正面を見る」というだけです。実に簡単な技能ですが、あっちこっちをキョロキョロしていたり下を向いたりしていたのでは、「気をつけの姿勢」とは言えません。具体的に「〇〇を見て!」と指示しないと「視線」は安定しません。卒業式では、やや上向きになることが多いですが、これは「未来を見ている」のでOKです。
「姿勢」については、「背筋と指を伸ばす」というだけです。実に簡単な技能ですが、指をそろえて軽く伸ばすことが意識できない子供が多いです。背筋を伸ばす動きは、「糸で吊られて、真上に引っ張られているような感じ」のイメージです。
「静止」は、「じっとしている」だけです。動かなくていいので実に簡単な技能ですが、同じ姿勢のポーズをキープするのは意外に大変です。緊張を伴いやすい動きなので、あまり長い時間「気をつけの姿勢」を取らせないようにしますが、「動かない」ことは、どの運動にも使える“究極の技”なので、ぜひとも身に付けておきたいです。