竹馬は、止まっている方が難しい
昔遊びの代表の一つである竹馬は、平成元年の学習指導要領に3・4年生の例示として一輪車とともに初めて登場しました。
それまでは、なわや輪、棒を巧みに操作するだけが扱われ、竹馬は、体を鍛えることには不向きな単なる遊びと考えられていたので、伝承遊びである竹馬を学校で扱うことは、画期的なことでした。
その後、平成10年からは、竹馬は1・2年生の例示になり、用具を操作しながらバランスを取る運動遊びとして定着しました。
ところで、運動が得意な子供でも、意外と竹馬には乗れないものです。竹馬は、日常的に行われにくい「ある動き」が要求されるからですが、さて、それは、いったいどんな動きでしょうか?
竹馬に初めて挑戦する子供は、手にも足にも体にも力が入っていて、体じゅうガチガチです。棒がクルッと回ってしまうのを防ぎたいので、がっちり握ってしまいます。
竹馬を静止させてバランスをとるものと、勘違いをしています。動いていない自転車で倒れないように乗るのと似ていて、竹馬を静止させることは、初めから超難しい技に挑んでいるようなものなのです。
その状況で一歩を踏み出そうとしても、思いっきり力が入っているので、たとえ補助をしてあげても全く動きが取れません。しかも、日常的な動きではない「左右同じ側の手足が連動する」という歌舞伎の六法のような動き方のため、運動が得意な子供でもどのようにしていいのか分からないのです。
ただし、どうせ転ぶなら、竹馬で歩く時の動きに似たような感じを経験できるよう、体重を前気味にかけて前に落ちたほうがいいです。