背の順に並ぶだけが、並び方ではない
どうしても背の順に並ばせたいと思ってしまうときがあります。「並ぶ時は、背の順が基本」と考えているからでしょう。しかし、整列するのにいつも背の順である必要はありません。どのような状況のときに、どのような並び方が適切かを子供が考えられるようにすることが大切だからです。
集団行動においては、緊急時や特別活動等で集団が一つになって秩序正しく能率的に、しかも、安全に行動することが求められます。そのため、背の順だけでなく名前順など決められた並び方を身に付けておき、子供がそれぞれの場面にふさわしい行動がとれるようにします。全校朝会のような場合には、男女別の背の順にすることもありますが、男女に分けることは、指導者側の管理の都合とも言えます。
学習指導要領には、体育科の内容の取扱いとして「集合、整列、列の増減などの行動の仕方を身に付け」と示されており、これを「各学年の各領域(保健を除く。)において適切に行うこと。」となっています。そのため、体育の時間には、背の順でなくても「整列」がどの学年でも指導されるのです。
実際の体育の授業では、クラスがダラーっと1列ないしは2列に並ぶことはなく、ある程度の小集団で行われるため、そのときの学習内容によっていろいろな並び方を考えることになります。
例えば、チームごとに並ぶ場合、必ずしも背の順にする必然性はありません。キャプテンが先頭になったり、ビブスの番号順にしたりするなど、様々です。
並び方を約束事として決めておけば、あとは、自分たちで整列することもできます。何列目にどのチームか並ぶかも、授業のたびに変わることもあるでしょうが、そこまで決めることにさほど意味はありません。