感覚統合、そのとき自分の体の使い方が分かる
身の回りの情報の全ては、視覚・聴覚などの感覚システムを通して受け取られますが、無意識の中で行われているので気付くことはありません。
いろいろな感覚には、脳にそれぞれ情報を受け取る場所があります。たとえば皮膚の感覚は触れたことや痛みなどの情報を脳に伝え、筋肉の感覚は今どこに力が入り自分がどんな状態なのかを教えてくれます。
これらの感覚は、胎児の頃から既に機能し始めており、成長するに従って互いに関係し合い、運動することで脳の他のシステムと連絡を取り合いながら成熟していきます。様々な感覚が複雑に絡み合っているおかげで、人は身の回りの状況を正確に判断し適切な運動が可能となるのです。この働きのことを感覚統合と言います。
感覚統合のおかげで、脳に入ってきた感覚に適切に反応できるようになるばかりでなく、状況にどう対応するかを考えることもできます。運動するときは、まず何をしようかと考え、今までのいろいろな感覚体験をもとにして、そのための動作を計画してから運動を行なうという一連の流れで運動を開始します。どのように体が動き、体をどのように使うかを考えるとき様々な感覚統合がとても重要となります。
たいていの場合、感覚統合は普通の生活をしていれば発達するものですが、それが十分に成熟していない子供もいます。感覚統合の発達がうまくいかないと学習、成長、発達などに問題が出て、特別な支援が必要となるケースが多く見られます。