運動しているときに音楽を取り入れる効果

子供のからだ環境,発達,遊び

人間は、音楽を聴いたときに自然とリズムに乗ることができます。テンポが変われば、身体の動きを変えることもできます。

鉄道の踏切で踊っている人はいませんが、「カン、カン、カン」という一定のリズムに反応しそうになっても、警報機が点いたり消えたりする点滅だけ見ていたのでは反応しません。面白いと感じるのは、聴覚から入る音の情報としてのリズムであって、視覚から入ってくる点滅のリズムには面白みを感じないようです。

無意識に獲得して働かせているこの能力は、人間だけに備わっています。祖先に近いチンパンジーですら音楽に合わせてリズムをとれません。イヤフォンをつけて音楽に聞き入っていたあの姿は、CMの世界だけなのです。

しかも、人間のすごいところは、赤ん坊でさえリズムを感じることができるという点です。そのような能力が備わっているのは、生物学的な進化の過程で音楽が必要だったのかもしれません。

音楽を聴くとストレスが減少しリラックスすることができることは経験的に納得できるところでしょう。スポーツ選手が、試合前に自分が好きな音楽に聞き入っている場面からも想像に難くありません。好みの音楽はアスリートにとって「合法的なドーピングのようなもの」と表現する人さえいます。

体育の授業では、準備運動やリズムダンスのほか、1・2年生の運動遊びで音楽を流しておくと楽しい雰囲気が増長され、いいパフォーマンスを誘発することが多いです。逆に5・6年生の器械運動や陸上運動では、人間特有の本能が無意識に働いて課題を解決する思考のじゃまになることもあるので、音楽の使い方には注意が必要です。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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