表現運動における技能のゴールは、どこにあるのか

子供の学び,学習内容技能,表現遊び,表現運動系

「表現運動って、何ができたらいいの?」とよく聞かれます。クロールだったらこんなふうに泳げればいい、ハードル走ではこんな感じで走れればいい、バスケットならこんなゲームで…など、多くの運動は、大人のスポーツから発想することでおよそのゴール・イメージがつかめるものですが、表現運動は、ほとんど?です。なぜでしょう。

たとえば、器械運動系は、抱え込み跳びや逆上がり、開脚前転など「技」が決まっているので、ゴール・イメージが明確です。技能の形がはっきりしているからで、指導者は、「その形が技能の正解だ。」と認識できてしまうのです。これが技能重視になりがちな授業スタイルにも影響しています。

しかし、この発想から考えてはならない領域が、表現運動系です。表現運動系の技能には、決まった形がないからです。1・2年生で扱う動物や乗り物などはゴール・イメージがまだ分かるとしても、象は鼻、兎は耳というように形の模倣に陥りがちです。3・4年生で扱う洗濯物や海底探検などの「感じ」や、5・6年生で扱うようになる火山、街の風景などの「感じ」は、どんな動きが表出したらOKなのか、スポーツの発想からでは分からないからです。

そもそも表現運動系は、何かを達成するとか記録を伸ばすような運動ではなく、「即興的に踊る」がキーワードになっているので、ほかの運動とは発想を変えて指導する必要があります。乗りのいいリズムや音楽が聞こえてくると赤ちゃんでさえもニコニコしたり体をゆすったりするのは、人の本能です。

ごっこ遊びは誰もが得意で、ヒーローごっこやお姫様ごっこなど、まねすることが楽しいのも同じことです。乳幼児でもできるような表現運動系では、教師自身が題材そのものになりきって大げさに表現したり、リズムに乗って即興的に踊ってみたりして、子供のように楽しさを味わうことがポイントです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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