ゲームの「型」によって攻めと守りが違うことを学ぶ
攻守交代で行うベースボール型のゲームでは、攻めているのか、守っているのかがはっきりしています。攻めている時はずっと攻めが続き、守っている時はひたすら守ることになります。ベースボール型のゲームでは、自分の動きを相手にじゃまされることもありませんから、作戦も立てやすくなります。
攻守分離で行うネット型では、ボールがどこにあるかによって攻守攻守…が繰り返されるので、攻めと守り両方の動きを交互に要求されます。しかし、コートが中央から分かれているので、ネット型のゲームでは自分の動きを相手にじゃまされることは、やはりありません。
では、ゴール型は、どうでしょうか? ボールを味方が保持していれば攻め、相手がボールを保持しているときは守りとなります。これがいつどうなるか分からない状況の中、その判断と攻守に応じた動きを瞬時に要求されます。そのうえ、相手が近寄ってきて自分の動きをじゃまするので、どのように動いたらいいのか困ってしまいます。このようにゴール型のゲームは、「自分の動きを相手にじゃまされる」ところにその特性があります。
1・2年生のとき、攻守混合での鬼遊びで、鬼をかわしたり鬼がいない隙をついたりして攻めればいいことを学びます。また、攻守交代の的当てゲームで「パスをするほうがシュートしやすくなる」ことを攻め方として学習していきます。しかし、パスの精度はかなり低いので、作戦としてはあまり期待できません。
3・4年生では、これらの攻め方を転移させてゴール型ゲームの攻め方を見付けられるようにするところから学習が始まります。タグラグビーやフラッグフットボールなら、攻守交代でありながら攻守混合っぽい規則にもできます。
規則を複雑にするとかえって子供の動きが停滞するので、規則の工夫をする必然性が生じるような易しいゲームを単元の最初にいかに提示できるかが、ゲームの学習のカギを握っています。