コップの水をこぼさずに運ぶために必要な技能とは?
小さい子供は、コップにいっぱい入った水を運ぶときによくこぼします。ここには、2つの技能の組み合わせが影響し合っていて、双方がうまくできないとき水がこぼれるのです。
では、次のうちコップの水がこぼれるのは、どの組み合わせでしょうか?
①コップをうまく持てないし、そーっと歩けない。
②コップをうまく持てないが、そーっと歩ける。
③コップをうまく持てるが、そーっと歩けない。
④コップをうまく持てるし、そーっと歩ける。
最もこぼれなさそうなのは④です。歩くときに多少の揺れは避けられませんが、うまくコップを持つ技能が身に付いていれば、何とか運べそうです。①~③は、いずれもよくこぼれると想定されるので、このような子供に水を運ばせてはなりません。
二重跳びとスキップを組み合わせる場合、二重跳びがやっとできる状況ではスキップができませんし、二重跳びができていてもスキップのリズムが身に付いていないとできません。「基本的な動きを組み合わせる運動」は、3・4年生の「多様な動きをつくる運動」で扱いますが、このとき、できない動きを組み合わせても学習になりません。
できる動き同士を組み合わせるところがスタートで、組み合わせてもできない動きにいくら工夫を加えても意味がありません。ところで、スキップしながら二重跳びという動きは、大人の硬い脳で考えるとどう動いていいのか分からなくなりますが、思考が柔軟な子供なら案外スッとやってしまうもかもしれません。