「主体的に学習に取り組む態度」の内容と評価
3つの資質・能力の一つ「学びに向かう力・人間性等」のうち「主体的に学習に取り組む態度」の評価として見取ることができる部分は、ほかの2つの資質・能力を身に付けるために粘り強く学習に取り組もうとしている側面と、その取組の中で自分の学習の進め方を調整しようとしている側面です。
「学びに向かう力・人間性等」は、各教科等とも目標(3)に示されていますが、その評価の観点である「主体的に学習に取り組む態度」に関しては、学習指導要領に内容の記載がありません。そのため、体育科の保健領域と各教科等では、目標に照らして当該学年に合わせた「内容のまとまりごとの評価規準」を作成しなければなりません。
その点、体育科の運動領域だけは、目標(3)の内容まで学習指導要領に示されているので、それを参考にして「内容のまとまりごとの評価規準」を作ることができます。例えば、ボール運動では、「運動に積極的に取り組み、ルールを守り助け合って運動をしたり、勝敗を受け入れたり、仲間の考えや取組を認めたり、場や用具の安全に気を配ったりすること」という内容になっています。「主体的に学習に取り組む態度」について評価すべきは、この内容のすべてが該当します。
したがって、この場合、「運動に積極的に取り組もうとしていたり、ルールを守り助け合って運動をしたり勝敗を受け入れたり仲間の考えや取組を認めようとしていたり、場や用具の安全に気を配ったりしている」として「内容のまとまりごとの評価規準」を作ることができるのです。
「内容のまとまり」と「評価の観点」との関係を確認して「内容のまとまりごとの評価規準」を作成する作業は、こと体育科の運動領域に関してのみ、ほかの各教科等とは違った手順となります。