考えを伝える、コミュニケーション能力への発展
平成29年版の学習指導要領から各学年の目標に「考えを他者に伝える力」が、「思考力、判断力、表現力等」の資質・能力として示されました。
4年生までは、自分で「考えたこと」を伝えるだけでもいいのですが5・6年生では、「仲間の考えたこと」も伝える内容となっています。「○○さんが、こういうふうにやればいいって考えてくれたので、やってみたらできました」というような振り返りも大切になってきます。
しかし、いくら「他者に伝える力」を身に付けるからと言って、あまり運動もしないで伝え合う活動ばかりやっていたのでは、体育の学習にはなりません。運動をして、そのできばえを自己評価できない場合など他者の考えによって解決しなければならない必然性があってこそ、伝え合う活動の時間が必要になってくるのです。 子供が課題を見付けるときなどICT機器を活用して「考えを伝える」場面もよく見ますが、デジカメやタブレットをいじってばかりいて、ほとんど運動しないようなときもあり、本末転倒です。
態度は、道徳を除いてほかの教科等には見られない体育科独特の指導内容です。指導者は、子供の視点を絞ったり課題意識を焦点付けたりするような問い掛けや、子供同士のかかわり合いを取り上げての肯定的な言葉掛けにより「伝える力」を身に付けられるようにしていきます。