ちょっとこわいけどできたらうれしい ふとんほし

学習内容器械運動系,嫌い,思考力・判断力・表現力等,技能,遊び,運動遊び,鉄棒遊び・鉄棒運動

その運動の特性から1・2年生の鉄棒遊びは、固定施設遊びと関連が深い運動です。そのため、45分の授業のうち前半を固定施設遊び、後半に鉄棒遊びを加えるなど、単元計画の中でそれら両方を扱えることができるように工夫すると効果的です。

鉄棒の太さは、ジャングルジムやうんていなどとほぼ同じのため、固定施設で経験した懸垂の姿勢やぶら下がった時の感じ、体の揺れなどの様々な感覚を鉄棒でも試すことが期待できます。固定施設で十分遊んでいると、鉄棒を手で握った時の力の入れ具合も感覚的につかむことができるからです。登り棒は、鉄棒よりも太いサイズですが、これは縦棒という特性から「そのほうがつかまりやすい」という特性を顕著にするためです。

固定施設では、体ごと回転するような動きはあまり出てきません。その代わり、ぶらぶらとぶら下がっているときのように「軸を中心に振動する」などの動きは、固定施設でも鉄棒でも共通です。振動するときに手で握っている感覚が共通なのです。「ぶたの丸焼き」でも十分に経験できる動きです。

固定施設と鉄棒の最大の違いは、「軸を中心に回転する」かどうかにあります。そのため、 回転するために必要となる逆さになるときの感覚を磨くことができる「ふとんほし」のような動きは、重要な運動遊びと位置付けられます。「ぶたの丸焼き」も逆さになりますが振動の軸が握っている手にあるのに対して、「ふとんほし」は回転の軸がおなかにあることが、大きく違います。

通常は、腕立て跳び上がりから「つばめ」の姿勢になり、「ふとんほし」の姿勢に移ります。しかし、そもそも「つばめ」の姿勢で背中に力が入って体が反っているときは「前に落ちそうで怖い」という感情の表れなので、そこからいきなり「ふとんほし」に移行できません。運動遊びの経験が不足している子供は、この背中の緊張感がなかなか取れませんが、補助をつけて足を揺らしてみるなど体のバランスのとり方の感覚を磨けるようにしていくような工夫が必要です。

また、このような状況の子供は、必ず「おなかが痛い。」と訴えてくるので、おなかが痛くならないように鉄棒パッドなどを使って痛みの軽減を図るようにすることもできます。

次第に傾きが大きい「つばめ」に挑めるようになったら、「ふとんほし」に挑戦していきます。初めてのときには、指導者がちょっと補助してあげることも必要かもしれません。たとえ鉄棒に苦手意識があっても、鉄棒を嫌いにしないような運動遊びの授業が求められます。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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