ねらいとめあて 似ているようで違うこと

マネジメント・直接的指導,教師行動めあて,思考力・判断力・表現力等,指導者

子供が主体的に学習を進められるようにするためには、指導者による「ねらい」の提示や「めあて」をもてるようにするための手立てが重要なキーとなります。そのため、この意味が似ているような感じがする「ねらい」と「めあて」がそれぞれ何なのかを、まず、明らかにしておきます。

「ねらい」とは学習の方向を示す言葉で目標概念ですが、一方の「めあて」は、どんなことをするのかといった活動概念ということになります。どちらも、広義には目標を意味する言葉なので混同して使ってしまいがちになりますが、授業では、しっかりと使い分けしていきたい言葉です。

「ねらい」は目標概念なので、この単元で身に付けるべき資質・能力そのものを示すと同時に、どのようにこの単元を展開していくか、単元全体の学習の方向付ける言葉でもあります。したがって、「ねらい」は、その運動の楽しさや喜びに触れられるようにするためどのように学習を進めていくかということになるので、子供からみた運動の特性から導かれることになります。単元全体を2段階に分けるなど学習過程の構成を工夫して、それぞれの「ねらい」を提示することもできます。

一方の「めあて」は活動概念なので、子供がその運動とどのようにかかわっていくか、その運動を通してどのような自分になりたいのかなど活動する内容を示す言葉です。「開脚前転で膝が伸びるようにするタイミングをつかめるようにする」であるとか「今日は、〇〇作戦でいくので、空いているスペースを探してシュートする」など、子供自身が行おうとしている具体的な活動が「めあて」となります。

なお、単元の1時間めなど、その運動に対する子供の学習状況が十分でない場合においては、指導者が「ねらい」とともに学級全体に共通の「めあて」を提示することもあります。これは、多くの子供が、その運動と初めて出会うときなどには「今の自分がもっている力でできそうなこと」が決められない段階であり、そのために支援する手立てです。その後は、単元の学習が進むにつれて子供が「めあて」を自己決定し、自分が見出した学習課題を解決できるような主体的な学びにしていきます。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

最新ヒントのメール配信をご希望の方は、こちらから登録できます。