音で約束ごとを決めておく

マネジメント・直接的指導,教師行動態度,指導者,支援

体育では、声で指示を伝えることのほかに、音を出す道具を使い分けてその局面に応じた合図を出して学習を進められるようにします。指導者が大きな声を張り上げてばかりいても、子供が運動に熱中していればストップがかからないですし、第一、自分の声が枯れてしまいます。

手軽に使えるのはホイッスルですが、口にくわえているときには声を出せないので、ホイッスルを吹いて子供たちの活動を止めた後に改めて声で指示を出すことになります。ホイッスルは、「ピーッ!」と、大きな音も出せるため聞こえにくいプールなどでは有効です。しかし、ふだんは、危ない行為を見付けたときに活動を止めるためなど「ここぞ!」に限定して「ピーッ!」使うように約束ごととして決めておきます。そうすることで、「ホイッスルが鳴ったときは、何かあるぞ!」と子供が感じられるようなるからです。

リズム太鼓は、かけっこのスタートのときに「ドン!」の合図としてよく使われます。両手がふさがってしまうデメリットはありますが、太鼓の音を出しながら同時に声で指示を出せる上、音の強弱によって変化を付けやすいのでオススメです。行進や足踏みなどに取り入れてリズムを作ったり、大きくジャンプするときにだけ「イチ・二ッ・サーン!」と「3」だけ強く叩いたりするなど様々なバリエーションを工夫できます。「『トン、トン』と鳴ったら、先生の指示を聞く。」「『ト、トン』で集合する。」などの学習のきまりをつくっておくと、効果的に進められます。集合をかけるときなどにもサッカーの試合終了のホイッスルのようにして使う場面も見られますが、体育の時間としては、あまり感心な使い方ではないです。

リズム太鼓は楽器でもあるため、その扱いは意外とデリケートなので、「バン! バン!」と強く叩きすぎるのは禁物です。リズム太鼓の皮が緩んでくると「ベン、ベン」という感じの音になってしまうので、ペグなどで皮の張り具合をときどき調節をする必要があります。

もともとホイッスル=Whistle には「鳥のさえずり」という意味がありますが、現実的にはそんな爽やかな感じは、体育のホイッスルにはありそうもないですね。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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