「できそうな気がする」という世界に引き込む

子供の学び学習課題,思考力・判断力・表現力等,技能,環境,発達,遊び

動きが「できる」ようになるまでの過程には、「やろうとしてもできない」世界が存在します。このときは、それまでに自分が経験した中から似たような感じの動き(これをアナロゴンと言います。)を探って、「あのときと同じような感じでやればいいんじゃないかな?」と実際に自分でやっているような感じを思い浮かべて「やってみよう」とする「なんとなく分かるような気がする」段階から始まります。

この「なんとなく分かるような気がする」段階を経て、「やってみよう」とした動きが偶然にもできたとき「できそうな気がする」段階へと進みます。自分の体で動き方のコツが「分かる」ようになり、同時に動きが「できる」ようになる段階です。この「できそうな気がする」が内的動機となって、主体的に学ぼうとする資質・能力につながっていくのです。

視覚情報として技能を図解したりスモールステップを示したりしても多くの子供は「できそうな気がする」段階にすぐには進めません。提示された運動の図を見てすぐに「できる」ようになる子供は、過去の運動経験からその図に対する動きの感じをすぐ思い浮かべることができて「できそうな気がする」と思っている子供です。

「できそうな気がする」段階にない子供は、図を見たりスモールステップを見せられたりしたところでどんな感じをもって、いつ、どこでどのくらいの力を入れれば「できる」ようになるのか分からないので、いくら技能ポイントを教えても指導にはなりません。

なお、運動遊びを学ぶ1・2年生は、「できそうな気がする」ような環境が子供たちの目の前に広がっていることが大切となります。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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