体育は、「運動を学ぶ」教科なのか?
遠足に行って「1時間たっぷり遊んでいい」ことになっていても、まるまる遊びに夢中になれる子供もいれば、何をして遊んでいいか分からない子供もいます。
それでも、遊び道具や遊具が身近にあれば遊びに向かうこともできますが、ひととおり遊んでしまうと「もう、全部やっちゃったから、遊ぶものがない」と、時間も空間も仲間も整っているのに、お休みモードに入ってしまう子供がいます。
各教科の意識調査をとってみると体育は、子供たちの好きな時間と言えますが、最近は、外で遊ぶことがあまり好きでない子供も少なくありません。それでも「体育は、そこそこ楽しい。」と思えるのは、休み時間や学級活動などの時間でも運動する機会があるからでしょう。
しかし、体育となれば、その活動が「学び」として子供たちに捉えられなければならず、ただ運動しているだけでは、それが体育の学びとしては不十分と言わざるを得ません。
このとき「体育が学びとして成立するためには、とにかく技能を身に付けさせなければならない」と考えてしまうと運動嫌いを作り出してしまうので、要注意です。
体育学習による最終目標は、豊かなスポーツライフなので、たとえ自分がプレーできないにしても運動に親しむ資質や能力の基礎を身に付けていくことになります。
器械運動で考えるならば、例示の技にたくさん取り組むのではなく、器械運動を学習する経験を通して知識や技能、思考・判断・表現、主体的な学び方などをバランスよく身に付けられるようにすることが目標となります。
このような学びが成立するためには、毎時間のめあてと振り返りが欠かせなくなるのです。