体が弾む、心が弾む、息が弾む
リズムダンスは、準備運動や運動会などで実践されていましたが、正式に学習指導要領に載るようになったのは平成10年版からです。
しかし、当時、趣旨と内容の理解が進まず、リズムに乗って踊る楽しさよりも動きの形が優先されたり、動き作りに追い込んでしまったりする指導が出現しました。このほか、教師がふりや動きを子供に与えてしまい、動きの形や順番を規制することによって子供の即興的な動きやエネルギーを縛ってしまうような、リズムダンスと呼べない授業も散見されたのです。動いてはいるけれど、踊っていないリズムダンスでした。
リズムダンスで弾むのは、まず、体です。体が弾んでいるかどうかのポイントは、臍です。臍が弾むようになるといろいろな動きが出てくるので、ただジャンプして手足を動かすだけでなく、乗りをより楽しむための変化やくずしを入れていきます。
2つ目としては、息が弾みます。踊り終わったときには、「ハア、ハア、ハア」と息が弾んで、踊り切った充実感でいっぱいです。ただし、息が切れるほどの強い負荷をかけてはなりません。息が弾むくらいのちょうどいい塩梅が、欠かせないのです。
3つ目には、心も弾みます。リズムに乗って踊っていると楽しくて楽しくて、ついニコニコしてしまいます。踊って楽しい、楽しいから踊るというサイクルを繰り返して、心はいっそう弾んでいきます。逆に心が弾んでいないリズムダンスは、失敗です。
体が弾んでいたか、息が弾んでいたか、そして心も弾んでいたか。これらは、リズムダンスを評価するときのバロメーターになります。