開脚跳びが「できる」子供がつくる次のめあて
跳び箱運動の代表的な技と言えば、誰もが「開脚跳び」を思い起こすでしょう。
「跳び箱で跳んでごらん」と言われて最初から台上前転をする子供はいないと考えられます。中には、小学校に入学してくる前から開脚跳びができる子供もいます。開脚跳びは、跳び箱運動の特性を味わうことができる基本的な技として例示されています。
さて、開脚跳びができる子供たちが、次の学習課題を見出す学びの段階で脳裏に思い描く「次のめあて」の多くは、「高い段の跳び箱での開脚跳び」です。「高い跳び箱」になんとなくカッコいいと憧れるからでしょうか、「今度は、5段でも跳べるようになりたいです」というように「次のめあて」を設定するのです。このように、跳び箱運動での子供たち求めるゴールは、「高い跳び箱」ばかりになりがちです。
跳び箱運動は、マット運動や鉄棒運動と違って、技を組み合わせて楽しむことができません。例えば、マット運動で前転しかできなくても、前転を連続して行う途中でバランスを入れるなど組み合わせて楽しむことができます。
しかし、跳び箱では、そのような楽しみ方ができないので、子供たちが「高い跳び箱」に挑む以外の「楽しさ」を求めて「次のめあて」を決めて行かれるようにしなくてはなりません。
5・6年生では、安定した開脚跳びをめあてとすることもできますが、3・4年生では、開脚跳びを楽しむ時間だけでなく開脚跳び以外の技に取り組めるようにしていきます。基本的な技であれば台上前転か首はね跳び、発展技としてはかかえこみ跳びなどを取り上げます。
これらの技については、まだできる技ではないので、易しい条件の場で挑戦できるような学習環境の設定により、子供自身が「もう少しでできそうな技」として選ぶことが、次の学習課題を見出すことにつながります。