長距離走、得意ですっ!

子供のからだからだ,保健,陸上運動系

約200万年前に登場したホモ・エレクトスは脳が飛躍的に大きくなりましたが、それは、肉食という安定的に高カロリーな食事ができるようになったからです。

槍や弓矢が発明されるまで200万年近くの間、人は素手で動物を捕まえていました。素手による狩猟は、発汗機能を持たない人間以外の哺乳類を追い回し、走り続けさせることで体内の熱で死に至らせる狩りの方法です。実際にアフリカのブッシュマンがこの方法で狩りを行っています。

ほとんどの動物は、呼吸で取り込んだ空気によって体内を冷やさなければなりません。なぜなら、汗をかく機能をもっていないからです。

そのためマラソンのような長距離走が苦手です。無理してずっと走り続けていると発汗作用がないため体温が上がり続けて死んでしまいます。

チーターが走るスピードは有名ですが、それは短距離走に限った話です。チーターは、ある程度走って疲れてくると獲物を捕まえることを諦めてしまいます。これは、彼らなりに「こりゃ、むりだ。あいつを捕まえるよりこっちが先に倒れちゃう。」と察知できているからです。

人間は、無毛の皮膚と細身の体で太陽熱を貯めにくい特徴があります。そこに加えて汗腺が発達したため地球上初の長距離ランナーとしての進化を遂げました。「汗腺が数百万もある人間は、進化の市場に現れた史上空前の空冷エンジン」なのです。

人類の体は長距離走ができるように進化してきたので、今の繁栄があるとも言えます。マラソンをしている人をよく見かけますが、もしかすると最も人間らしい姿と言えるのではないでしょうか。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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