何が楽しくて競いあっているのか
左手同士で握手、右手でじゃんけん、勝ったら相手の手の甲をたたこうとし、負けたらそれを自分の手のひらで阻止しようとする遊びがあります。
このじゃんけん遊びは、攻防の課題が明確なので、「技能」と「楽しさ」の関係を考える格好の材料です。
そもそもこの遊びは、じゃんけんの結果が偶然性に左右されることに加えて、その後の攻防でもうまくいくかどうか分からないハラハラドキドキ感が繰り返されるところに「楽しさ」があります。この遊びで子供がやりたいことは、「自分で勝敗を判断して、相手よりいかに速く行動に移せるかどうか」になります。つまり、ここで、ハラハラドキドキすることもなく「相手の手をたたく」「自分の手を守る」という「技能」だけを練習してできるようになっても、「楽しさ」にはつながらないのです。
これをバスケットボールの「技能」と「楽しさ」で考えるとどうなるでしょうか。
「技能」としてはパスやドリブルがありますが、バスケで子供がやりたいことは、「相手をかわしてシュートしやすい位置までボールをいかに運ぶか」です。そして、これができるようになると楽しいので、「近くにいるフリーの味方にパスを出すこと」や「相手に取られない位置でドリブルすること」が「楽しさ」を追求するための「技能」になります。
そのためパスは、漫然とボールをやり取りするだけでなく、パスが必要な局面を想定してハラハラドキドキしながら「うまくいくかどうか」を試さなければ意味がありません。単にパスの「技能」だけを練習したのでは、ゴール型で攻める「楽しさ」につながっていかないのです。