「深い学び」につながる3つのメタ認知
学習していく中で、失敗することが許されない状況があったりそれを子供が感じていたりすると、思考力・判断力・表現力等は育ちようがありません。
子供自身が試行錯誤を重ねることが「深い学び」の条件となるからです。学びの道筋は、「やってみる→うまくいかない→だから、よりよく解決していこう」とする流れですが、このとき、「自分がどうありたいか」がないと「深い学び」になっていきません。つまり、自分のゴールイメージです。
この自分自身のゴールイメージがないままでは、学習は主体的になりません。また、学びの道筋が分かっていないと課題解決学習は進みません。
例えば、ハードル走では、まず、ハードルをどう走り越えたいのか目指す自分の姿の認識があり、次に、どうすれば、そのような姿になれるのかという技術的な課題の認識が存在し、さらに、実際の今の自分は、どのよう走り越えているのかを自己認識します。
つまりここには、メタ認知能力が存在しています。そして、これらを理解してこそ課題解決の仕方が分かってくることになります。 理解には3つの段階があります。
まず、①「目で分かる」です。見れば「ハードルって、ああやって越えていくんだ」と、その運動の形が分かるというものです。次に②「頭で分かる」です。「ハードル走の抜き足のポイントは、〇〇〇だ」という理解です。もう一つ、やってみて③「体で分かる」です。これがクリアされないことには、その技能ができるようになりません。
しかし、子供によっては、「よく分かんないけど、やってみたらできちゃった」ということも少なくありません。①の理解からいきなり③という学びですが、この場合は、主体的・対話的に②を分析していくことが、「深い学び」になっていきます。