運動浪費がないので、気にせずにできる
1・2年生は、気が散りやすく長く集中できない発達的特性があるので、運動をコントロールする神経支配が十分に発達していません。それまでぎこちない運動しかできませんでしたが、そこから質的にスムーズな動きへ比較的ゆっくり進んでいきます。
また、この時期には、運動浪費も見られます。むだなところに力が入ってぎこちない動きになるのはそのためで、1・2年生には多様な運動遊びを経験できるようにしておくことが重要になります。
このぎこちない動きが3・4年生では、かなり省力的な運動へと変化していきます。やや長い集中でも可能になり、目標に対してより正確な運動を示すようになってきます。
歩く・走る・跳ぶなどはすでに、意識しなくていいほど自動化されていますが、不確かさが残っています。「走る」に関しては、ほぼ自動化されている直線走より、未だに自動化されていない動きをしなくてはならない方向や速度に変化がある曲線走を好むようになります。
「跳ぶ」に関しては個人差が大きいものの自分に合った課題により次第に自動化できます。まだ走ってきて両足で踏み切ってしまうような子供もいますが、この場合、運動が跳び箱と混同しており自動化されていない状況と言えます。
「運動の自動化」とは、個々の操作を意識しないで精確に的確な動作がなされることです。自由に歩き回れるのは、「歩く」が完全に自由化されているので、手足の動きを意識せず景色を見ながら歩けます。ボールを見ないでドリブルできるまでハイ・レベルに自動化されると、ディフェンスや味方の動きを見ながら自分が動けるようになります。