フープを操作して身に付けられる動き
その形状から「転がせる」と思ってしまう輪(フープ=Hoop)は、かなり昔から子供の遊びとして使われていました。
葡萄のつるや竹などで編んだ輪を使って転がしたり回したりして遊んだり、また、小さいものは、輪投げ遊びとしても発展しました。フープの操作の仕方としては「転がす」ほかにも「回す」「投げる」「跳ぶ」なども考えられます。
フープは、地面においてケン・パーの目印にしたり、土俵に見立てたり、ボールが転がらないような囲いとして使ったりすることもできる便利グッズです。 しかし、この使い方では、「用具を操作する運動(遊び)」にはならないです。
用具を操作する運動(遊び)は、自分自身でやってみなければうまくいくかどうか分かりません。動きの習得にも時間がかかるので、一人一つの用具を使うようにすることが基本です。
「転がす」操作は1年生からでもできます。しかし、ほとんどねらったとおりに行かずフープがあっちこっちに転がっていくので、広い校庭で一人一つのフープで行うほうがいいです。
3・4年生ではまっすぐ転がせるようになってくるので、いろいろなサイズのフープがあると、そのサイズによって動きのバリエーションが広がることが期待できます。ペアの友達が転がしたフープをくぐってみるなど、用具の操作に別の動きを組み合わせて多様な動きを身に付け、楽しく学習が進められるようにします。
また、「まっすぐ転がすにはどうしたらいい?」と問いかけてみることも重要です。「手をこうやって腰をこう入れて」と子供は説明してくれるでしょう。技能ポイントを直接のねらいとするのではなく、友達がくぐれるように転がし方をどう工夫するかをねらいとします。
なお、「フラフープ」という名称は、フープを腰で回す動きがフラダンスと似ているところから付けられた商標なので、「フラフープ」としての本来の使い方は「腰で回す」ということになりますね。