つきゆびが起きやすくなってる丸まった手の形には、意味がある
人間は、その進化の過程に物を掴むことを組み込んだため、手で物を扱うことができるようになりました。
手が前脚である動物たちは、物を掴むことができない代わりに歩くときに都合がいいように、爪が固くなったり肉球ができたりしました。
人間の手は、物を掴みやすいように手のひら側の筋肉が強く複雑に作られています。一方、手の甲の側の筋肉は、手のひら側に比べて弱く、普段意識しないと働きません。
そのため、手は、手のひら側の強い筋肉に常に引っ張られている状態となり、いつもなにかふわっとしたものを軽~く握っているかのような形に丸まっています。眠っている赤ちゃんの手は、いつも丸まっていてかわいい印象を与えてくれますが、それは、可愛さのアピールではなく、人間の手の筋肉のバランスによるものです。
信号待ちをしている人や歩いている人も、物を持っていないときには、手がなんとなく丸まっています。野球やスキーのグローブや剣道の小手も、物を掴みやすいように内側に曲げて作られています。
人間が、自分の手が丸まろうとしていることを意識すると、手のひらを広げることの意味が分かってきます。手のひらを広げるためには、手の甲の筋肉が縮まなければなりませんが、この動きが不十分だと手のひらが完全に広がった状態にはなりません。ボールをキャッチするときやマットでの着手など「手をしっかり開く」ような局面で、手を開いた感覚が十分に磨かれていなかったり、開くタイミングがずれてしまったりすると突き指のリスクが高まるというわけです。
皆さんの周りにいる人の手、みんな、丸まってるでしょ?