子供の見取り 学びを見取る4つの手続き
平成29年版学習指導要領は、子供を主語にして「学び」という言葉を使っています。「学び」の主体が子供であり、子供を中心に考えないことには資質・能力を身に付けることができないということです。そこで重要となってくるのが、子供の「学び」の状況をいかに見取れるかです。
「子供の学習の様子をよく見なさい。」とは、言うは易し行うは難しで、ただ見ているだけというわけにはいきません。「見取り」には、手続きが必要です。
1 子供の言葉を聞き、行動を見る。
同じことをやっていても、それぞれの子供の個性や特徴などの背景によって、意味が変わってくることがあります。
2 子供の言葉や考え、思いを解釈する。
「いったい、なぜ、その子供は、このようなことを言っているのか、このようなことをやっているのかを考えます。
3 本時のねらいと照らし合わせる。
主体的に学ぶと言っても、なんでもかんでもアリでは、学校での「学び」が成立しません。この授業でのねらいとの関係を探ります。
4 子供に何をどうするかを決める。
子供の「学び」を判断したら、「混乱しているようだから、方向性を考えさせよう。」「がんばっているから、ほめてあげよう。」など、その子供への支援をするかどうかを決めます。「このままで大丈夫だから、だまっていよう。」ということもあります。あるいは、その子供個人にではなく、学習集団全体に対して「ひとこと、言っておいた方がいいな。」「ちょっと、黒板に書いてあることに注目させよう。」など授業改善の場合もあります。
ここまでが「見取り」の作業工程ですが、これらは、かなりのスピードで行われることが求められます。あとからゆっくりオンデマンドで見直してから支援するとはいきません。子供の「学び」は、“生放送“のようなものだからです。とくに、体育科の運動領域では、子供のパフォーマンスは、その一瞬一瞬で目の前から消えていくので、「見取り」の機会を逃してはならないと言えます。