運動遊び「〇〇ランド」を楽しめる3つの条件
遊園地に行ったときに、とても楽しかった記憶が誰にもあります。右を見ても左を見ても心がくすぐられる楽しそうな乗り物がたくさんあるからです。
乗る前から「楽しそうだ」と思えるのは、それまで乗ったことがなくても似たような感じを過去の経験から思い起こしているのです。また、それに乗っている人の状況から「楽しそうだ」と事前に判断できるのです。
1・2年生の運動遊びでは、遊園地に見立てて「○○ランド」と名前を付けた、子供から見るといかにも楽しそうな場をいくつも用意し、子供がいろいろな場を選んだりして遊びながら学習を進めていく授業が見られます。「○○ランド」は子供が運動遊びをするために必要な環境づくりの一つです。
しかし、「○○ランド」は、その作り方を間違えると危険がいっぱいです。楽しいはずの「○○ランド」が実態に合わないと、易しすぎたり難しすぎたりして、運動に夢中に取り組めなかったり、不安を感じてしまうことさえあります。
運動遊びの「○○ランド」作りにはいくつかの条件が必要です。それは、少なくとも「安全」「めまい」「変化」です。「安全」だと分かっていないと安心して遊ぶことはできません。「めまい」は、カイヨワ曰くところのイリンクスのことで、運動遊びが運動遊びたる大きな条件です。「変化」がないところでは、遊んでいてもそのうち飽きてしまいます。
単元全体を通して考えると、例えば単元前半では児童の今もっている力で楽しめるシンプルな場で運動を行い、単元後半では児童の工夫を生かし運動課題が変わるように場を作っていくことが重要です。子供たちの実態に合わせて、「この場ではこんな行い方が現れるだろう。」と予測することは、それぞれの場に意味を与えるからです。
また、授業の振り返りで「今度はどういう場でやってみたい?」と子供たちに問いかけてもいいでしょう。大切なことは「そんな場があったら、なぜいいのか?」「どんな場があったらその行い方ができるのか?」を引き出しながら、子供たちと「○○ランド」を一緒に作っていくことなのです。