タイヤで遊ぼう その環境によって引き出される遊び方
採掘場や規模の大きい工事現場などで働き、家ほどの大きさがあるKOMATSUのダンプ・トラックは、「はたらくくるま」としても有名です。そのタイヤの直径は約4m、重さはタイヤ・ホイールひと組4.8tだそうです。
リサイクルという考えがなかった時代、古タイヤは、空き地などあちこちに転がっていて、子供にとって面白い遊び道具として人気がありました。常に雨ざらしなので中に雨水が入り込み、いじると水がびちゃびちゃとはねて、いっそう楽しさが増しました。
タイヤは、それを見た子供によって様々な遊びを誘発します。まず、その上に乗って遊ぶことになりますが、乗る所は平らでないうえ、ゴムなのでクニャクニャ揺れるためバランスをとることも楽しめます。上を歩いているだけでも面白いのに、そのうち弾力があることに気付くとたちまちジャンプが始まります。足場は悪いので、あまり思いっきり跳べないところがミソで、バタバタと上下に揺れているだけですが、気持ちよさそうです。
一方、「丸いのだから、転がせるはず。」と知識を活用する子供は、タイヤを立てて転がして遊びを始めます。「どこまで転がせるか」にワクワクし、友達がいれば転がし競争も始まります。しかし、これらの遊びは、タイヤを見たときに「立てることができる」と認識しないことには成立しません。
冒頭のKOMATSUのタイヤでは、タイヤは転がせるものだと分かっていても、その大きさや重量感から「立てられない」と認知するので、転がす遊びは誘発されないのです。子供とその周囲の環境との双方の条件が一致しないと、楽しい遊びは生まれないのです。