「長なわ」を使って、自分の体を操作する
短い縄を「短なわ」と呼ぶように、長い縄は「長なわ」と言います。よく「大なわ」と呼ぶ人もいますが、反対語となる「小なわ」が存在しないことから「大なわ」とは言わないことが分かります。
縄跳びは、自分で縄を回して跳ぶ「短なわ」と、誰かに縄を回してもらう「長なわ」 とがあります。5・6年生の巧みな動きを高めるための運動では、「長なわ」が比較的短い場合、回し手のまま縄の中に入って跳ぶこともできます。「逆回しだよ!」と言わせないような動きをもし扱うとすれば、この動きも5・6年生が適当です。「逆回し」のようななわの動きに合わせて自分の体を操作することが学習課題になります。
縄跳びは、「長なわ」より「短なわ」のほうが難しいと言えます。「短なわ」には、縄を下げるという操作と同時に体が上へジャンプするという上下逆の動きが含まれるからです。また、タイミングに合わせて「長なわ」を跳ぶというのは、縄の動きに自分の体の動きを合わせにくい1・2年生には難しい課題になります。
そのため、用具を操作する運動遊びでは、大波・小波やくぐり抜け、ヘビに見立ててのジャンプなどで、縄の動きを読むことも経験していくのです。特に、この時期の子供はジャンプすることさえままならない場合もあるので、走・跳の運動遊びなどでもジャンプを取り上げていきます。
「長なわ」は、用具を操作する運動なので、跳んでいるだけでは、学習になりません。跳べたかどうかの結果にばかり指導者が着目する傾向にあると操作の学習が“未履修”に終わります。4~5人グループに1本の長なわを渡して「どうやったらうまく回せるか?」と、操作を課題とする学習も必要です。