様々な角度から見て見取りと評価を一致させる
上の3つの図形のうち、縦の長さが横の長さと同じものは、何番でしょう。
見た感じの印象でだけ考えてしまうと、その人の主観的な判断によってのみジャッジされるので、それが正解たる客観的な証拠は何一つありません。実際に測定すれば、それこそ客観的な判断根拠となって、「同じ長さ」という結果に辿り着く問題です。
人が目で確認した事実を脳が勝手に解釈してズレが生じてしまうことによって起こる現象を「目の錯覚」と言います。目にも脳にも異常がなくても、視覚による事実と異なる知覚をしてしまう錯視のことです。
ギリシャのパルテノン神殿では、その柱に、下から見上げると真っ直ぐに安定して見えるようエンタシスが施されていますが、これも錯視を利用したものとして有名です。昔から人間は「目の錯覚」があることを知っていたことになります。
さて、問題の答えは③です。上の図形で、縦棒だけが並んでいれば客観的な事実に基づいてどれが長いかを適正に評価できます。しかし、横棒と比べるというフィルターにより、それが誤って知覚され、評価が変わってしまいます。
子供のパフォーマンスを評価していくときにも、様々に見える現象がありますが、「目の錯覚」で評価しないよう、それが客観的事実に基づくものかの判断が必要です。