子供が使いやすいような体育倉庫を考える
体育の学習内容の一つに、学習で使う用具や場の準備もあります。
「学びに向かう力、人間性等」の内容に準備をしたり片付けをしたりすることなどが位置付けられいていますが、「学びに向かう力、人間性等」の学習内容が明確なのは体育科だけの特徴です。1・2年生の「走・跳の運動遊び」でも「使用する用具の準備や片付けを、友達と一緒にすること。」が解説には示されています。チームのビブスはもとより、段ボール箱のような低い障害物、コースのスタートや折り返しを示すカラーコーンなどを自分たちで準備することが学習であり、評価の対象でもあります。
指導者が、体育倉庫から何本ものコーンを出して集合場所の近くに置いておくなどのお膳立ては、1年生の最初のうちだけで済ませ、子供が自分で体育倉庫からコーンを出して来られるようにしなければなりません。いつまでも指導者が用意しているようでは、主体的な学びと言えないからです。
そのためには、体育倉庫にあるコーンが「子供から見て出し入れしやすいかどうか」が大きなポイントになります。出すのが面倒だったり片付けが大変だったりする体育倉庫には、誰も近付きたくなくなるからです。また、子供が持つには重たいコーンは、もってのほかです。
体育係が学級全部のコーンを出すか、各チームのキャプテンなどが自分たちのチームのコーンを出すか、学級で約束事を決めておくとよいでしょう。集合場所あたりに出したコーンをクラスの一人一人が自分たちのコースまで運んで行ってそこで運動し、自分たちが準備したコーンを片付けるように決めておきます。
最後には、体育係かキャプテンが体育倉庫まで運んで終わりとなりますが、次の時間に使う学級のことを考えて、指導者が最終的に見届けることが大切です。うまく片付いていないと、次のクラスの体育係が苦労することになるからです。